「社員が誇れる会社へ」 将来像を描き、人と組織の成長につなげる

下関市に本社を置く株式会社サンスパックは、2025年に就任した山本晃平社長のもと、リブランディングを実施するとともに、会社の将来像や経営者の想いを社員と共有する取り組みを進めています。YMFGグロースパートナーズは、その想いを中期経営計画として整理し、現在は、会社の目指す姿を社員一人ひとりの育成・評価・処遇につなげる人事制度の構築まで一貫して伴走しています。今回の対談では、「社員が誇れる会社」を目指す山本社長の想いと、次世代へつなぐ組織・人づくりについて伺いました。

― 2025年に社長に就任された際、リブランディングも行われました。

株式会社サンスパック 山本 晃平代表取締役(以下、山本社長):土木工事業界では採用難が続いており、業界に対するイメージを変えたいという想いがありました。リブランディングによって同業他社との差別化を図るとともに、土木業界が抱える課題の解決にもつなげたいと考えました。私は2025年4月に当社の4代目として代表に就任しました。

もともと建築の設計やデザインの仕事に携わっていたこともあり、社長就任を機に、ロゴやフィロソフィー、コーポレートカラーなどを一新しました。これまで会社を築き、支えてくださった方々への敬意を大切にしながら、受け継がれてきたサンスパックの考え方を、これからの世代にも伝わる言葉で表現し直しました。人を大切にするという考えをビジョンとして示すとともに、「美しい土木で、未来を守る。」というミッションも新たに掲げました。

― 会社の将来像や経営者としての想いを、社員と共有できる形にしようと考えたきっかけを教えてください。

株式会社YMFGグロースパートナーズ 担当部長 河田 晋太郎(以下、河田):YMGPへの配属前、私が山口銀行事業性評価部に所属しサンスパックさまに訪問した2025年秋頃、YMGPの植木とともに山本社長と今後の会社の在り方についてお話しする機会がありました。その中で、社長が描く将来像や経営者としての想いを、社員の皆さんにも伝わる形にする必要があるのではないかという話になりました。社員の皆さんが会社の目指す方向を理解し、判断や行動に迷ったときに立ち返ることのできる指針として、中期経営計画(以下、中計)の策定をご提案したことが支援のきっかけです。

山本社長:土木工事業は、公共インフラの整備や維持に欠かせません。社会に必要とされ続ける業界であることは強みですが、目の前の仕事を着実に積み重ねるだけでは、さらなる成長にはつながりません。
私は会社をさらに成長させたいと考えていますが、社員も、経営者がどこを目指しているのか、会社がこれからどうなっていくのかを知りたいと思います。経営者だけの考えにとどめていては意味がありません。会社が目指す姿を社員に示し、会社の成長を一人ひとりの成長につなげることで、社員にとって誇れる会社にしたいと考えました。

― 中期経営計画の策定にあたり、どのような点を重視しましたか。

株式会社YMFGグロースパートナーズ 課長 植木 良介(以下、植木):山本社長は、2026年の年初に中計を社員の皆さんへ発表することを目指されていました。そこで、2025年11月にご相談をいただいた後、すぐに策定に着手しました。土木業は、入札結果によって年度ごとの受注額が変動します。そのため今回は、数値目標だけに重点を置くのでなく、山本社長の想いや会社の将来像を、社員が理解し、日々の行動につなげられる形に整理することを重視しました。

山本社長と週1回のペースで対話を重ねるとともに、幹部社員の皆さんにも、会社の強みや課題、若手社員の育成や技術継承、今後目指したい会社の姿などについてインタビューを行いました。こうした対話を踏まえ、山本社長とともに、会社の将来像や、今後優先して取り組むべきテーマを整理しました。中計では、創業110年を迎える2030年に向けた将来像を、「世代を超えて信頼され、誇りを持ってスクラムを組める会社」と定めました。

さらに、この将来像を実現するために、「安全が文化として根づいている」「人が育ち、世代がつながっている」「仕事の質で評価される」「無理なく、長く働ける」「社会から信頼され続ける」という5つの状態を整理しています。

― 社員の皆さんへのインタビューを通じて、どのようなことが見えてきましたか。

河田:幹部社員の皆さんからは、現状の課題を挙げるだけでなく、「これからどうすれば、より良い会社にできるか」という前向きな意見が多く、会社の将来を自分たちの課題として捉えていることが印象的でした。具体的には、会社の成長には社員一人ひとりの成長が欠かせないことや、これまで培ってきた技術や信頼関係を大切にしながら、若手育成や技術継承の仕組みを整えていく必要があることについて、山本社長と幹部社員の皆さんの認識が重なっていました。

また、課題を挙げるだけでなく、「どうすればできるか」を考える姿勢も、社長の目指す組織像と重なっているように感じました。私たちがその内容を山本社長にフィードバックした際、うれしそうな表情をされていたことを覚えています。経営者の想いを言葉にするだけでなく、それが社員の皆さんにどの程度伝わっているのかを確認し、双方の認識をつなぐことも、私たちの役割でした。

山本社長:当初は、私の想いが社員にどの程度伝わっているのか、私の考えている方向と社員の認識にギャップがあるのではないかと心配していました。社員へのインタビュー結果をフィードバックしていただき、私が目指している方向と、幹部社員が考えている方向に大きな違いがないことが分かり、ほっとしました。社長就任後に進めてきたリブランディングや、新たな理念・ビジョンを社員に示した方向性は間違っていなかったのだと感じ、うれしかったですね。

中計には、数値やロジックだけでなく、人材育成や資格取得など、社員の成長につながる内容として整理できたことも良かったと思います。私が夢を語り、みんながそこに共感して、「これをやりましょう」「あれもやりましょう」と言えることが一番大切です。当社は、目指す方向が明確になれば、一人ひとりが自ら考え、行動してくれる社員に支えられている会社です。会社がどこを目指し、どのように進んでいくのかを、社員に明確に示すことができたのは大きかったです。

― 会社の将来像を、社員の育成やキャリア形成にどのようにつなげていくのでしょうか。

植木:サンスパックさまでは、近年、新卒社員を継続して採用されています。山本社長には、入社してくれた社員に対して、「どのような経験を積み、何ができるようになれば、次のステップへ進めるのか」という成長の道しるべを示してあげたいという想いがありました。
現在も、OJTとして新入社員一人ひとりに先輩社員が付き、丁寧に育成されています。一方で、採用が続き、組織が大きくなっても、指導する先輩社員によって育成内容に差が生じないよう、会社として共通の育成方針を示すことが大切です。

また、人事評価についても、数値実績だけでなく、社員が担う役割や身につけた能力を適切に評価することが重要です。何ができるようになれば次の役割やポジションを目指せるのか、社員に求める役割や能力を段階ごとに明確にする必要があります。サンスパックさまには、すでに役職や給与、OJTによる育成など、これまで培ってきた仕組みがあります。それらを一から作り直すのではなく、既存の良さを生かしながら、等級ごとに求める役割・能力を整理し、評価、昇進・昇格、給与へ一貫してつなげる共通の物差しを整えています。社員一人ひとりが自分の現在地と次に目指す姿を理解し、納得感を持って成長に取り組める制度にしたいと考えています。

山本社長:2026年4月に、就業規則や賃金、手当を時代に合った形へ見直しました。一方で、社員にとっては、自分がどのように成長していけるのか、その道筋が見えることも大切です。人材育成やキャリアパスを示すことは、土木工事業界全体の課題でもあると感じています。

当社では、2023年度に2人、2025年度に4人、2026年度に2人の新卒社員を迎えました。一人ひとりが、どのような役割を担い、何を身につければ次のポジションを目指せるのか。その道筋が見えるようになれば、新入社員だけでなく、将来の幹部を目指す中堅社員にとっても、自身の成長を具体的に描きやすくなります。

また、当社では技術や資格だけでなく、挨拶や報告・連絡・相談、周囲への気配りを大切にするなど社会人としての基本を身につけることも大切にしています。周囲から信頼される人間性と確かな技術の両方を備え、どのような場でも活躍できる人材を育てたい。そうしたサンスパックらしい人材像を、等級や評価の基準として具体化し、育成やキャリア形成につながる仕組みにしていきたいと考えています。

― 中期経営計画から人事制度の構築まで、YMGPの支援をどのように感じていますか。また、今後どのような組織を目指していきますか。

山本社長:YMGPと取り組めて良かったと感じるのは、一つの支援で終わるのではなく、中計の策定を通じて見えてきた次の課題に、継続して取り組めることです。中計策定時に整理した当社の将来像や課題を理解している同じ担当者から、「次は人事制度に取り組んでみてはどうですか」と提案していただき、改めて一から説明することなく、次の段階へ進むことができました。

YMGPにはさまざまな支援サービスがあり、当社の状況やこれまでの経緯を踏まえて、次の課題に応じた提案をしてくれることに心強さを感じています。また、社内だけでは得られない第三者の客観的な視点や、銀行・コンサルティングの視点から率直な意見をもらえることも大きいですね。異業種の良いところも取り入れながら、当社に合う形を一緒に考えてもらっています。

少しでも迷いや伝えておきたいことがあると、ついYMGPに長文のメッセージを送ってしまいます。それでも、私が考えていることや会社の課題を理解したうえで率直な意見を返してもらえるので、安心して相談できます。

河田:支援のテーマが変わっても、継続して経営についてご相談いただけることを、私たちもうれしく感じています。これまでの経緯や会社の目指す姿を理解しているからこそ、新たな課題に対しても、改めて一から整理することなく次の提案ができます。今回も、会社の将来像を明確にするところから、その実現を支える人事制度の構築へと、支援を具体化してきました。今後も、気軽に相談いただける身近なパートナーでありたいと考えています。

植木:山本社長は、日頃から「社員」を主語にして話されており、一人ひとりを大切にされていることが伝わってきます。幹部社員の皆さんも、会社の将来を自分たちの課題として捉え、前向きに考えておられます。私たちの役割は、サンスパックさまが目指す姿を、具体的な組織の仕組みや制度へ落とし込むことです。今後も対話を重ね、制度をつくるだけでなく、社員の皆さんが成長を実感できる仕組みへと深めていきたいと考えています。

山本社長:経営者の想いを理解しながら、社員一人ひとりが自ら考え、行動できる組織が理想です。私が会社について語るだけでなく、社員にも当事者意識を持ち、自分たちの会社について熱く語れるようになってほしいと思っています。今回、会社が目指す姿を社員に明確に示すことができました。次は、その実現に向けて一人ひとりに期待する役割や成長の道筋を、人事制度として具体化していきます。社員一人ひとりが自らの成長を実感し、この会社で働くこと、そして土木という仕事そのものに誇りを持てる組織を目指していきます。

株式会社サンスパック
■本社所在地
山口県下関市田中町15番7号
■事業内容
土木工事業、資材販売等
■Webサイト
https://www.sunspac.com/

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