遠藤工業株式会社

新工場建設を起点に、売上高100億円の実現へ
安全と成長を両立する遠藤工業の挑戦

 広島県福山市を拠点に鉄骨加工を手がける遠藤工業株式会社は、売上高100億円の達成を目標とする「100億宣言」を掲げ、さらなる成長と安全性の向上を見据えて同市内に新工場の建設を進めています。
 YMFGグロースパートナーズ(YMGP)は、中小企業成長加速化補助金の採択支援などを通じて同社をサポートし、さらなる企業成長に向けて伴走しています。今回の対談では、同社の遠藤健太専務取締役とYMGPの大熨がこれまでの歩みや今後の展望、人を大切にする経営について語りました。


2名トップ写真

左から、遠藤工業㈱ 遠藤専務、YMGP 大熨

― はじめに、遠藤工業様の事業について教えてください。

遠藤専務 遠藤工業株式会社 遠藤 健太専務取締役(以下、遠藤専務)

 当社は2024年に創業60周年を迎えました。現在は中堅ゼネコンのお客様を中心に鉄骨加工を手掛けています。
 鉄骨の仕事は地域に限定されるものではなく、品質や対応力を評価いただき、全国から選ばれる仕事だと考えています。だからこそ、一つひとつの仕事でお客様に満足いただき、「遠藤工業に頼んでよかった」と思っていただけるよう、日々取り組んでいます。
 また、鉄骨加工はミリ単位の誤差管理が必要となります。大きな構造物であっても、1ミリ、3ミリといった非常に細かな範囲です。そのため、図面担当、製作担当、検査担当、それぞれが高い専門性を持ち、連携することが欠かせません。図面作成を外注する会社が多い中で、当社は約15人の図面担当者が在籍し、図面作成から製作、検査、塗装、出荷までを一貫して対応できる体制があります。こうした一貫対応力は、当社の大きな強みです。


― このたび「中小企業成長加速化補助金」に採択されました。まずは、工場新設を検討された背景を教えてください。

遠藤専務 遠藤専務

 現在は福山市本郷町の福山工場を中心に事業を行っていますが、近年は案件の大型化が進み、既存工場のキャパシティーに課題を感じるようになっていました。そのような中で、福山市の向永谷地区に土地を確保することができ、工場新設に向けて本格的に動き出しました。こうした設備投資を通じて、将来的な事業規模の拡大も見据えており、当社では売上高100億円の達成を目標とする「100億宣言」も行いました。
 一方で、新築で工場を建てるのは、私自身にとって初めての経験であり、資金面を含めた不安もありました。そうした中で相談に乗っていただき、当社の計画に合う補助金として「中小企業成長加速化補助金」を提案いただきました。その後は、申請に向けた計画整理や手続き面についてもスピード感をもって対応いただき、安心して進めることができました。


― YMFGグロースパートナーズとしては、どのような点に着目して支援を進められたのでしょうか。

大熨 株式会社YMFGグロースパートナーズ 課長代理 大熨 景(以下、大熨)

 取引銀行を通じて、遠藤工業様が新工場の建設を計画されていると伺い、支援に関わらせていただきました。遠藤工業様は、長年にわたり鉄骨加工の分野で実績を重ねてこられ、品質や対応力を強みに安定した取引基盤を築かれています。また、今回の新工場建設は案件の大型化への対応に加え、「100億宣言」において掲げられている成長戦略を具体化するための重要な投資であると捉えています。事業内容や投資計画、今後の成長可能性を総合的に見て、「中小企業成長加速化補助金」の趣旨とも親和性が高く、採択に向けた支援を進めました。


― 補助金の申請に向けて、どのようなサポートをしましたか。

大熨 大熨

 申請にあたっては、計画の整理やストーリー構成のブラッシュアップ、プレゼンテーションに向けた準備なども含め、伴走させていただきました。支援を進める中で大きかったのは、工場新設計画の骨子がすでに整理されていた点です。これをベースに、新工場建設が単なる設備投資ではなく、案件の大型化への対応や安全性の向上、将来的な事業拡大につながる取り組みであることが伝わるよう、補助金申請に適した形へと整理していきました。
 また、「100億宣言」で掲げられている将来像と、新工場建設、人材育成、組織体制の見直しといった取り組みが一つの成長ストーリーとして伝わるよう意識しました。
 さらに、二次審査のプレゼンテーションは重要なポイントになると考え、社長をはじめ専務や工場長と準備を進めていきました。社内での練習会には多くの従業員の方が集まり、会社全体で取り組もうとされている一体感が伝わってきました。

遠藤専務 遠藤専務

 一次審査の書類審査に向けては大熨さんによくサポートしていただき、無事に通過することができました。一方で、二次審査は自分たちでプレゼンテーションをする必要がありましたので、非常に緊張しましたが、やりきったという手応えを感じることができました。


― 新工場の建設にあたって、特に重視された点を教えてください。

遠藤専務 遠藤専務

 売上はもちろん伸ばさないといけませんが、私としては安全性を第一に考えてやっていきたいというのが本音の部分です。工場が手狭な状態で人員が増えると、それだけで危険な状態になりかねません。加えて、取り扱う製品が大型化している中で、労災リスクも高まっていると感じています。そのため、広い作業スペースを確保することが、新工場建設の大きな目的の一つでした。今回の工場拡張によって安全性を高めた上で、結果として効率面でも効果が出てくると考えています。

大熨 大熨

 一般的には、工場の規模拡大に伴って生産量や売上の向上に目を向けがちですが、遠藤工業様の場合は根底に「人を大切にする」という考え方があると感じました。品質と安全を第一にされている点は、今回の補助金審査においても、評価につながった部分ではないかと思います。

遠藤専務 遠藤専務

 補助金の応募という話も一つのきっかけとなり、昨年1年間をかけて組織体制の見直しにも取り組みました。役職者の業務領域や管理内容を明確にし、今年2月から新たな体制でスタートしています。一人ひとりと面談を行う必要があり、組織再編は大変な部分もありましたが、徐々に良い形になってきていると思います。新工場の稼働後も、この体制から大きく変えることなく運営できる見通しです。

大熨 大熨

 専務がおっしゃるように、組織づくりには時間を要しますが、補助金申請を通じて経営や組織の在り方について改めて整理する機会になったのではないかと感じています。結果として、全社的に取り組みを広げるきっかけになった点も意義のある部分だったと思います。


― 成長を支える人材の確保や育成については、どのように取り組まれていますか。

遠藤専務 遠藤専務

 高校生に向けて、さまざまな業種の企業が授業をする機会があり、私も鉄骨のミニチュア模型を使って工業高校で出前授業をしています。その他にも、インターンシップの受け入れや、企業説明会など、採用活動には力を入れています。最近は若い社員も多く入社しており、事務所の平均年齢は32歳ほどです。若手が多く、皆にやる気があることは、当社にとって大きな力になっています。
 また、当社にはベトナム出身の従業員も約20人います。もともとは技能実習生の受け入れから始まりましたが、現在は特定技能の方や、直接雇用の社員も在籍しています。皆さん非常に真面目で優秀で、1年目から戦力として活躍してくれています。一人ひとりが同じチームの一員として力を発揮し、長く働き続けられる環境をつくっていくことも大切にしています。

関連画像1

鉄骨のミニチュア模型

工業高校の出前授業にて

大熨 大熨

 遠藤工業様は、若い社員の方々も多く、会社全体に前向きな雰囲気があります。特に印象的だったのは、技術を身につけた人材が継続して活躍できる環境づくりを、将来の事業構想とも結びつけて考えておられる点です。ベトナム出身の従業員の方々が将来的に帰国された後も仕事を続けられるよう、現地での事務所開設も構想されていると伺いました。人材を採用するだけでなく、長く関係を築いていこうとされている点に、遠藤工業様らしさを感じました。

遠藤専務 遠藤専務

 将来的には、ベトナムに当社の支店となる事務所を開きたいと考えています。主には図面を引く仕事を想定していますが、日本で技術や仕事の進め方を覚えれば、遠隔地でも十分に対応できる仕事です。当社では、多くの従業員が長く働き続けてくれています。技術を身につけた人が、その後も力を発揮できる場をつくることは、会社にとっても大切なことです。そうした関係性を大事にしながら、拠点づくりにもつなげていきたいです。


― 最後に、今後どのような会社を目指していきたいかを教えてください。

遠藤専務 遠藤専務

 繁忙期とそうではない時期の差をできるだけ小さくし、安定して仕事量を確保できる状態をつくることが、経営者としては理想です。新工場の稼働によって生産能力が高まり、安全かつ効率的に仕事に取り組めるようになれば、仕事の受け方も変わってくると考えています。
 近く、現社長から代表を引き継ぐ予定ですが、私の代では、安全、品質、コストのバランスがさらに取れた会社を目指していきたいです。「遠藤工業に頼めば安心だ」と思っていただけるよう、足りない部分を一つひとつ補いながら、より良い会社にしていきたいと考えています。

大熨 大熨

 社長、専務ともに、会社を良くしたい、社員を大切にしたいという思いを強く持たれています。新工場の建設や組織体制の見直しは、単なる事業拡大ではなく、次の世代に向けて会社をより強くしていくための取り組みだと捉えています。YMFGグロースパートナーズとしても、今回の補助金申請支援にとどまらず、今後の成長に向けた計画づくりや組織づくりの面でも、引き続き伴走していきたいと考えています。

遠藤専務 遠藤専務

 当社は60年間続いてきた会社ですので、まずは100年続く会社にしていきたいと思っています。そのためにも、安全と品質を大切にしながら、社員が安心して働き続けられる環境を整え、次の世代につなげていくことが大切だと考えています。新工場の稼働や組織体制の見直しを通じて、これからもお客様に選ばれ続ける会社を目指していきたいです。

遠藤工業株式会社様

会社画像

本社:広島県福山市本郷町2280-1

事業内容:鋼構造物工事業 建築工事業

詳しくは 公式サイト をご覧ください。

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